ロボだけど、ロボだけではない⁈仙台高専ロボティクスコース

令和3年度名取市協働提案事業「地域ライター講座」受講生の皆さんが、講座を通じて実際に取材し作成した記事を掲載しています。
受講生の目を通じて見て聞いた”なとりの魅力”をぜひお読みください。
ロボだけど、ロボだけではない⁈仙台高専ロボティクスコース
ライター:齋藤 敬子
仙台高専ロボティクスコースは2017年に設立され、『皆がHappyに過ごせる未来を創る人材を育成する』ために、従来の知識を順序立てて教えていくだけではなく、「学生それぞれがやりたいことを実現するために必要な知識」を教えています。
これからその秘密を、たっぷりとお伝えします。
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向かって左側 櫻庭弘先生、右側 鈴木知真先生 |
先ずは「自分のやりたい事」をみつける
仙台高専ロボティクスコースでは、5年制の最初の3年間では、従来型の座学中心の基礎的なカリキュラムだけでなく専門科目の習得もめざします。
専門的な学びを通して自分が今後、どうしたいのかをみつめ直す時間に当てています。
自由時間を確保し、自分のやりたい事をみつめ直す時間は次の新しいことを始める原動力となり、必要不可欠な時間になると櫻庭先生は話してくれました。
とはいえ、中学を卒業したばかりで明確な目標をもって入学してくる子ばかりではなく、何から取り組めばいいのかわからない子も勿論います。
ペーパーテストでは点数を取れ、与えられた課題をこなすことが出来ても、いざゼロからモノ作りを始めるとなると、何から始めたらいいのか、自分は何をしたかったのか分からなくなるのではないかと私は思いました。
櫻庭先生は、そうした学生に働きかけることこそがこの学校の存在意義だとおっしゃいます。
学生がやりたい事をイメージしやすいよう、出来るだけ第一現場を見せるそうです。例えば、福島の原発や、実際に動いているロボット。
企業とコラボしたり、車のエンジンを実際に持ってきたりと、取り組みは様々です。
知真先生は2週間に1度、学生全員と面談するそうです。面談は雑談を中心に行います。
たわいない雑談から学生を知り、やりたい事を引き出すそうです。
「A、Bがあり何気なくAをチョイスした場合、その選択には何か理由があり、ひっかかる部分がある為と考えます。
ひっかかった部分がやりたい事、やろうと思う事に繋がります。」と知真先生。
先生方は普段の授業の準備だけでなく、通常の高校と同じように部活の顧問としての仕事、ロボットコンテストの準備などもあります。
多忙な中でも、一人一人と面談をするのは先生方が学生と向き合うことを大切にしているからなのです。
人まかせではなく「自ら考える学生を育てる」を目標にして
お邪魔した時間内にコーチングの授業を見学させて頂きました。
高専の先生ではなく、外部の講師を招いての学生参加型の授業です。
見学は15分ほどでしたが、学生達はとても楽しいそうで活気のある授業でした。
授業の中では、相手に対して否定的な事「○○はダメ」とか「そんな考え方ではあり得ない」などは言わずにまず、話を聞いてみることが大切だそうです。
自分以外の考えを聞き、自分の意見も相手に聞いてもらう事が、技術開発には必要になるため、コーチングは必要なスキルになります。
従来型の知識を順序立てて教えていく方法も一つですが、ロボティクスコースのように、学生自身がやりたい事を実現するために必要な知識を都度、学ぶというやり方は、5年間の在籍期間の中では必要な手法だと知りました。
夢を夢で終わらせず、学生一人ひとりが自ら考える学べる場所が仙台高専と言う場所だと知りました。
そして、高専の先生方もまた学生達と同じように生き生きしていました。
ロボットがめざす未来の先には
「将来、何が起きてもそれぞれが解決の方向に進む為のテクノロジーをもった人材を育てているのがロボティクスコースであり、それは単にロボットだけではなく、様々な分野に必要な技術を含みます。
現在でも人はさまざまなロボットの助けを借りながら生活しています。
この先もロボットは人がやりたいことを手助けてしてくれます。」と櫻庭先生は話してくれました。
スマホ、パソコンだけでなく、あらゆる家電に至るまで今や人とロボットは共に生きているのだと気づかされました。
アイアンマンが単なる映画の話ではなく実現可能であり、人を助けてくれるロボットと人が共に幸せに生活する未来が私には、みえました。
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かなり大きなもので学生が分解して構造を調べる為に活用しています |
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ロボティックスコースの可愛い一員。名前を呼ぶと目をキラキラさせて近づいて来ます |
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