障害のある方や子ども達に夢や希望を与えたい

令和3年度名取市協働提案事業「地域ライター講座」受講生の皆さんが、講座を通じて実際に取材し作成した記事を掲載しています。
受講生の目を通じて見て聞いた”なとりの魅力”をぜひお読みください。
障害のある方や子ども達に夢や希望を与えたい
ライター:青田 さとみ
その方は、とてつもないオーラを放っていました。
「テラグラッサ」代表取締役の前田忠嗣さんにお会いした時、颯爽として優しい目もとが印象的でした。
前田さんが手がける就労支援事業所「テラグラッサ」、サッカー療育による放課後等デイサービスを行うそして自身が活動している「アバンツァーレスポーツ」についてお聞きしました。
様々な取り組みを生かした就労支援事業所「テラグラッサ」
「テラグラッサ」は、2016年に名取市高舘に開設された障害のある方の就労支援事業所です。
前田さんは、地元名取の市議会議員の方や育成会会員の方から障害のある方の就労支援の必要性を聞いたことからテラグラッサを開設されたそうです。
6年前から、高舘の山あいの畑で作るブランドワインや、エゴマ油の製造、販売もしています。
「今年は天気に左右されて、ぶどうの生育が悪かったのでワインは全滅でした。自然相手なのでそこが難しいところですね。」と前田さん。
「テラグラッサ」のロゴにはぶどうの苗木がデザインされています。語り口からもワインに対する情熱が伝わり、是非、飲んでみたいと思わずにはいられませんでした。
種から絞ったエゴマ油は、血液をサラサラにするオメガ3脂肪酸を含み、生活習慣病予防や免疫力の強化に効果が高いとされているそうです。
その他にも、名刺に点字加工をする「点字メイト」も行っています。こちらは視覚障害のある方の就労支援になっています。
様々な就労支援をしている前田さんですが、課題として就労賃金の低さと人材募集の難しさを上げています。
「現在は委託された場所への清掃作業や、知育玩具の箱詰作業をしていますが、ブランドワインを販売する産直市場やレストランを作り、賃金向上を目指して就労支援に役立てていきたい。」と話す前田さんでした。
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「テラグラッサ」の前田忠嗣さん |
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種から絞ったエゴマ油 |
サッカーを療育に生かす「アバンツァーレスポーツ」
もう一つ、前田さんが力を注いでいるのが「アバンツァーレスポーツ」です。
自らが監督も務めるジュニアサッカークラブ「アバンツァーレジュニアサッカークラブ」での経験を生かし、障害のある、なしに関わらず放課後にサッカーをしながら、その成長を見守る放課後デイサービスと発達支援をしています。
事業所の隣にある本格的なサッカーコートで、放課後、集まる子ども達にスタッフとともに、指導をしながら子どもたちのきめ細かい日々の成長を見守り、サッカー療育という新しい分野に挑戦しています。
笑顔で子どもたちの成長の様子を語られる前田さんのような、熱い思いをもった方のエネルギーを感じ、私も応援したいと思いました。
地域になくてはならない存在に
前田さんにこれからの展望をお聞きすると「障害のある方々や子どもたちが、夢や希望を持てるように、これからも支援していきたいです。何よりそのご家族のために、地域になくてはならない存在になりたいのです。」と力強く答えて下さいました。
サッカークラブの名称である、「アバンツァーレ」のイタリア語の意味は、「前進」です。
ただ前を向いて進むだけではなく「一生懸命目標に向かって進む」という意味もあるのだと前田さんは教えてくれました。
広いサッカーコートに集まり、ボールを追いかける子どもたちの目はきっと、前田さんと同じく、「一生懸命、前に進んでいる」そんな目に、違いないと感じました。
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「アバンツァーレスポーツ」のサッカーコート |
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部署名:なとりの魅力創生課
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