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せりだけじゃないせり農家・三浦さん 〜市民活動家としての素顔に迫ってみた〜

せりだけじゃないせり農家・三浦さん  〜市民活動家としての素顔に迫ってみた〜

令和3年度名取市協働提案事業「地域ライター講座」受講生の皆さんが、講座を通じて実際に取材し作成した記事を掲載しています。

受講生の目を通じて見て聞いた”なとりの魅力”をぜひお読みください。

せりだけじゃないせり農家・三浦さん 

〜市民活動家としての素顔に迫ってみた〜

ライター:ジェンティーレ 恵

 

“名取のせり農家”として有名な三浦農園の三浦隆弘さん。

市民活動家としての顔も持つ三浦さんの信念は「社会への恩返し」そして「みんなで幸せになること」。

自分ひとりがよければいい?この言葉にギクッとした人に読んでほしい、地域の未来を考えるヒントをご紹介。

 

せり農家×市民活動家。名取の二刀流が信念を語る

 

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三浦農園の看板…か、かわいい

半袖でもよいくらいに気持ちよく晴れた10月の上旬。取材は2時間を超えた。一周まわってもいい言葉が見つからないが、三浦さんはスゴイ人だ(語彙力)。

 「仙台せり鍋」ブーム。その火付け役でもあり、名取のせり農家として広く知られる三浦さん。でも聞きたかったのはせりのことではない。

 

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名取せり本と三浦さん

三浦さんのもうひとつの顔は市民活動家。20年以上にわたり、さまざまな市民活動をされてきたと聞いていた。今回はその信念に迫りたいと思ったのだ。

取材を通して見えてきたもの。それは、根底で三浦さんを突き動かす「社会への恩返し」そして「みんなで幸せになる」という想い。農業という枠を超えて、わたしたちにも刺さるものがあるはずだ。

 

市民活動を通して見えてきた自分のミッション

 

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家のすぐ裏手にある広大なせりの田んぼ

農業一家に生まれた三浦さんは小学生のときにお父様を亡くされている。

自身のことを「社会保障で育てていただいた存在」だと言い、10代の頃から、社会的弱者として社会とどう交わっていけるか、農家としてのあり方を模索していたそうだ。

1998〜99年代はNPO活動の隆盛期。当時短大生で若かった三浦さんは、大人たちが集まる場へ飛び込んだ。

「社会常識とか社会人のキホンをそこで学ばせてもらいました。こんな作法があるんだ、っておどろいて…」

海岸ゴミを拾ってデータ計測をして政策提言をしたり、仙台市のゴミ事業の立ち上げに関わったり。

ほかにも環境保全米ネットワークへの参加や、二十人町の土地利用再開発にも携わった。

20代後半からは地元の小学5年生を対象に教壇に立ち、米づくりから加工、接客体験など子どもたちのキャリアデザインの一助となる活動にも力を入れてきた。

 「そんなことをしているうちに、農業の入り口から世の中の不便をちょっとずつ解決する、それがわたしのミッションとなりました」

目指すのはひとりではなく、みんなで幸せになること

 

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せり田をバックにパチリ

「せりは名取の魅力を発見する教材であってほしい」

全国的なせり鍋ブームは喜ばしい反面、飽和状態になり模倣も増えてくる。

名取におけるせりとはなにか、名取市民にとってせりを食べることにはどういう価値があるのか。

地域の人が味わう食文化への原点回帰を三浦さんは探り続けている。

なぜそこまで情熱を注ぐことができるのか。

それは「好奇心や疑問を持ち続け、どうやったらみんなをうまく巻き込み、みんなをいいところに連れていけるか」という想いからだと言う。

自分ひとりだけなら農家としてマーケティングを勉強すればいい、売れる首都圏に出荷し続ければいい、こんな遠回りなことはしない、と言い切る。

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せりの苗を植える三浦さんのお母様

「自分の持っている500円の使い方をちょっと変えればいいだけ。それで地域の未来が変わる」

農家生まれ、農家育ち。名取に根を張って暮らしてきた三浦さん。

地域の未来を自分と社会の接地面を通して考える———その言葉に「わたしには何ができるだろう」と、さわやかな秋晴れの空を見上げながらぼんやりと思った。

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