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~田畑から愛をこめて~全自動殺虫システム稼働中!~ ―セリ農家・三浦隆弘さん

~田畑から愛をこめて~全自動殺虫システム稼働中!~  ―セリ農家・三浦隆弘さん

令和3年度名取市協働提案事業「地域ライター講座」受講生の皆さんが、講座を通じて実際に取材し作成した記事を掲載しています。

受講生の目を通じて見て聞いた”なとりの魅力”をぜひお読みください。

~田畑から愛をこめて~全自動殺虫システム稼働中!~

―セリ農家・三浦隆弘さん

ライター:洞口 ちあき

 鍋料理の脇役だったセリを主役まで格上げし、「名取のセリ」を有名にした立て役者をご存知ですか。

名取市下余田の「セリの三浦さん」こと、三浦農園の三浦隆弘さんです。

「仙台せり鍋」の仕掛け人としてとても有名な三浦さんですが、愛する生きものたちを守るため、自然環境に配慮した農業を愚直に実践する、知られざる一面をご紹介します。

 

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三浦隆弘さん

 

無農薬で美味しい野菜を作るのだ!

農業の本質は「農業の中に自然を落とし込むこと」だと三浦さんは言います。

栽培する作物と土地が合っているか。

気候が合っているか。

生態系のバランスはとれているのか。

いつの日からか三浦さんはそうした農業の本質を活かした「無農薬で美味しい野菜」を作りたいと思案するようになり、2つのことに取り組んできました。

1つ目は、自然の力を活かして害虫を駆除するお方法。名付けて「全自動殺虫システム」。

ブロック塀などの際(きわ)に雑草をなるべく生やし、クモやカエル、トカゲなどの生きものの餌場やねぐら、越冬できる場所にすることで、そこに住みついた生きものたちが害虫を捕食してくれる仕組みです。

生きものが生活できる環境を作ることで、生きものの生態系を利用した害虫駆除に成功しました。

2つ目は、有機肥料を使用することです。

有機肥料は野菜が成長するための養分としても必要ですが、土壌改良のためにも不可欠です。

三浦さんは、購入した有機肥料に加え、三浦家の一員であるウサギ・ヤギが野菜くずを食べることでできた自家製の有機肥料(糞)も使用しています。

ウサギとヤギも農家の一員として、有機栽培に貢献しているのです。

ヤギを除草のために飼育するというのは聞いたことがありましたが、有機肥料の製造元でもあったということに衝撃を受けました。

 

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有機肥料製造元 ゆきちゃん

 

で~きた、で~き~た~♪理想の野菜

2つの取り組みの結果、無農薬野菜ができちゃいました!美味しい野菜もできちゃいました!!

取材の日、セリ田からもぎ取って、そのまま食べた三浦さんのセリ。

やわらかくて、鼻から抜けるあの独特の芳しい香りがい思い出されます。

三浦さんが開発した全自動殺虫システムと有機栽培システムは、自然環境保護と農業の両立が可能であることを証明し、三浦さんの考える農業の本質にぴったり当てはまっていると感じました。

三浦さんは、農家であるだけでなく、自然環境保護を基本に考える農業のシステムエンジニアという一面も持っているのです。

それにしても、「全自動殺虫システム」とは、素晴らしいネーミングセンスです。

面白すぎます。三浦さんは、お笑いのセンスもお持ちのようです。

 

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シオカラトンボ(©️淀屋橋心理療法センター)

 

三浦さんの愛に応える絶滅危惧種

とても嬉しいことに、三浦農園で絶賛稼働中の三浦流農業システムが、珍しい生きものを呼び寄せました。

なんと!三浦さんの田んぼに、絶滅危惧種のゲンゴロウやミズカマキリなどが姿を現すようになったのです。

取材に伺ったときには、定植して間もないセリ田の上をシオカラトンボ、イトトンボ、ノシメトンボが我が物顔で飛び回り、数十年ぶりにガムシを見ることができました。カエルもいました。

いつか、三浦さんの2つの取り組みが農業に浸透していったら、生きものたちの住処が増えて、名取に行けば、いつでも絶滅危惧種が観察できる!と、田んぼや畑が観光スポットになっちゃったりして。

その上、名取市の農産物は美味しくて、無農薬で安心・安全。ということがいろんなところで噂になって、生きものと農業に携わる人が増えて、名取市も新たな観光資源ができて、さらに新たなブランド作物ができて。

みんながwin winな関係になれるのではないでしょうか。

そうなったら、いいのにな。

生き物たちの羽音で賑やかな田んぼを後にしながら、私の妄想は膨らむばかりです。

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