那智が丘周辺の花々
那智が丘周辺で見られる植物を、季節ごとに写真とエッセイで紹介しています。
公民館付近を散策される際は、ぜひ探してみてくださいね。
【協力:なおかつフォトエッセイ】
那智が丘にお住いのご夫婦「なお・かつ」さんが、お二人で創られたフォトエッセイです。
●かつさん(ご主人)
>>ウォーキングを楽しみながら、早朝の光の中、優しく浮かび上がる草花や自然の 生き物たちを撮影しています。
●なおさん(奥様)
>>かつさんの写真に、日々、感じたこと(呟き)から生まれたエッセイを付けてい らっしゃいます。
1.二色空木 |
9.野山蜻蛉草 |
2.無葉蘭 |
10.蓮華躑躅 |
3.連鷺草 |
11.柳花笠 |
4.笹葉銀蘭 |
12.白花蘿摩 |
5.山立浪草 |
13.桔梗 |
6.捩花 |
14.禊萩 |
7.南天 |
15.狐大角豆 |
8.桔梗草 |
2023年 夏の花々
1.二色空木(にしきうつぎ)

二色空木(にしきうつぎ)/花言葉:移り気
宮城県以南の太平洋側に多いが西日本には少なく、漢字表記は「二色空木」「錦空木」ですが紅白の花が混ざって咲くことに因んでいます。花は白からピンクに色が変わっていきます。木全体で見ると赤白二色の花が咲いているように見えるところから「二色」の名がつきました。子供のころ花を引き抜き、抜いた部分をチュチュと吸うと甘い蜜が、そんな思い出の花です。
2.無葉蘭(むようらん)

無葉蘭(むようらん)/花言葉:喜び・助力
葉緑素を持たない菌従属栄養植物です。光合成を行わず菌根菌に寄生し、養分を略奪して生きています。名前の由来は、葉が無いランだから。落ち葉の積もった、やや湿り気のある場所に生えます。全体的に薄い褐色のような地味な色合いで、背景に溶け込んでしまう感じで目立ちません。
3.連鷺草(つれさぎそう)

連鷺草(つれさぎそう)/花言葉:清純・繊細
日本各地で生息しているサギソウは球根性のランです。真っ白で切れ込みの入った美しい花です。近年、乱獲などで数が減少し準絶滅危惧種に指定されている貴重な花です。花は正面からみると十字で下向きの花びらが少し長く、葉は卵形けど花に近い方は幅がせまく背はひざ下ほどです。近年乱獲などによりその数は減少してしまっています。みなさんも見かけたら大切にしてあげてくださいね。
4.笹葉銀蘭(ささばぎんらん)

笹葉銀蘭(ささばぎんらん)/花言葉:そっと見守って下さい
白く小さな花は大きく開くことはほとんどなく、そのせいか控えめで清楚な印象を受けるランです。山地の落葉樹林下に生える多年草。ギンランより背が高く、葉も大型なので目立ちます。花序下部の1〜2個の包葉が長く伸び、花序と同じか、花序より高くなるのが特徴で、ギンランはこのようにはなりません。花序が有毛であることも見分けのポイントです。和名は葉が細長くササの葉に似ていることが由来です。ギンランに似ていますが、ギンランより花序が高くなりますが、ササバギンランは花序より葉が高い位置にくるか同じ高さくらいとなります。また、ギンランより全体に大型です。
5.山立浪草(やまたつなみそう)

山立浪草(やまたつなみそう)/花言葉:忘却
いかにもタツナミソウの仲間ですが、よくみると個々の花が垂直に折れ曲がらずに素直に斜めについています。普通、タツナミソウの多くは、花の付け根がくの字に折れ曲がって花筒が垂直に近く立ち、先端がまた曲がってキセルのようになります。
また、この花は上側の唇弁が濃い紫で、下唇弁が平たく突き出して白いので、そのコントラストも特徴的です。他のタツナミに比べ葉の鋸歯が丸くなく尖っているのも特徴のひとつです。全国に分布しますが東日本メインなのか、関西方面では絶滅危惧指定のところが多いようです。
6.捩花(ねじばな)

捩花(ねじばな)/花言葉:思慕
西洋では捩花を Lady's tresses と呼ぶのだそうです。
〝レディの巻き毛〟とはとてもお洒落だと思います。花期になると多数の小花が螺旋状に並び、花穂が捻じれたように見えるため捩花と呼ばれます。花は下から順に咲き上がり、同程度の割合で右巻きと左巻きに捩れますが、全く捩れないものもあります。花には甘い微香があり、西洋蜜蜂が訪れます。万葉の時代には根都古草(ねつこぐさ)と呼ばれていたらしいです
7.南天(なんてん)

南天(なんてん)/花言葉:私の愛は増すばかり
由来は、南天の漢名「南天燭(ナンテンショク)」です。
南天燭が略されて「南天(ナンテン)」となりました。南天は、白い花をつけた真っ赤な実をつけます。魔除けや火災よけの効果がある植物とされ、江戸時代には玄関先によく植えられていました。鬼門と呼ばれる南西の方角に置くのがよいとされています。他にも、難を転ずる→難転→なんてん、という意味合いから、お年寄りが転ぶときに寄りかかることができる木として、トイレの近くに植えられていたようです。秋になると真っ赤な実をつけます。この実を煎じて飲むと「咳止め」に効果があり、「のどあめ」の原料として使われています。
8.桔梗草(ききょうそう)

桔梗草(ききょうそう)/花言葉:優しい愛
花が桔梗に似ていることから名が付けられました。別名のダンダンギキョウ(段々桔梗)とは花と葉が段々になっているから言われているそうです。 一年草で5月から6月頃に紫色の小さな花を咲かせます。花のあとに出来る実は熟すと裂け、種子を飛び散らせます。
9.野山蜻蛉草(のやまとんぼそう)

野山蜻蛉草(のやまとんぼそう)/花言葉:懐かしい関係
丘陵地の林内でみられる高さ25~60cmの多年草。地生ランです。根が紡錘状に厚します。茎には稜があり、翼が発達します。葉は互生する単葉で、茎の下部につく2~3枚は大きく、長さ7~12cm、幅2.5~3.5cmの長楕円形で全縁です。茎の上部につく葉は小さく、披針形です。総状花序に10~25個の花をまばらにつけます。苞は披針形で、縁に乳頭状突起があります。花は黄緑色で、背萼片と側花弁はかぶとをつくります。唇弁は広線形です。花の後ろに長さ1.2~1.5cmの距が垂れ下がります。
10.蓮華躑躅(れんげつつじ)

蓮華躑躅(れんげつつじ)/花言葉:情熱・堅実
花びらと葉が蓮の花に似た並び方をしていることや、まるで蓮華畑のようにたくさんの花を高原いっぱいに広がって咲かせる様子から蓮華躑躅という名前になったと言われ、名にある「躑躅」とはツツジと読む他にテキチョクと読みます。足踏みしたり立ち止まったり、躊躇しながら進む様子を意味する熟語で、蓮華躑躅には毒があるので馬や羊が間違ってこの草を食べると足踏みして麻痺してしまうことを意味していると言われています。また、花の美しさに道行く人が思わず立ち止まることが由来という説もあります。
11.柳花笠(やなぎはながさ)

柳花笠(やなぎはながさ)/花言葉:幸運に
細長く線のように繊細な形をしているのが葉の特徴です。そんな葉の形が柳(ヤナギ)にそっくりなので、名前に「ヤナギ」と入っています。また、花の咲き姿がドーム型になっており、花笠をかぶっているように見えたため「ヤナギハナガサ」と名付けられたのが名前の由来です。柳のような葉と、花笠にそっくりな咲き姿が人気の植物です。繁殖力が強く、茎を次々と伸ばして広がっていくため、野原や道ばたに群生する性質があります。花からはクチナシに似た甘くて優しい香りがします。かわいらしい咲き姿だけでなく、素敵な香りも楽しめるので庭や花壇のガーデニングにも人気の植物です。開花時期になると甘い香りに誘われて、モンシロチョウやアゲハチョウなどがヤナギハナガサの花に集まってきます。
12.白花蘿摩(しろばなががいも)

白花蘿摩(しろばなががいも)/花言葉:清らかな祈り
ガガイモの花って星みたいな形をしていますね。
少なくとも私たち日本人は流れ星を見たら願い事をするという習慣があります。
『願い事=清らかな祈り』ってことです。
古事記には大国主(オオクニヌシ)神が国を造るのを手伝った
小さな神様である少彦名(スクナヒコナ)神が
ガガイモの実を割ってできた天之蘿摩船(アメノカカミブネ)という船に
乗ってやってきたというシーンがあります。ガガイモの実に乗って小さな神様である
少彦名(スクナヒコナ)神が来たという話です。
13.桔梗(ききょう)

桔梗(ききょう)/花言葉白:清楚・従順
名前の由来を紹介します。中国で生薬として用いられる際の漢名「桔梗(キチコウ)」が転じて、「キキョウ」と呼ばれるようになったのが由来といわれています。ちなみに、「桔梗」は英語では、「Ballon
Flower(バルーン・フラワー)」といいます。これは、「桔梗」のつぼみが丸くふくらんだ風船の形をしていることから名づけられました。
花自体にまつわる、すこし怖い話があります。それは、平将門と、そのお気に入りのめかけであった「桔梗姫」の伝説です。地域によって説が異なりますが、まずは、桔梗姫が敵に平将門の秘密を漏らしたために、平将門は殺され、後に自身も悲劇の死を遂げるというもの。そして、その桔梗姫が亡くなった場所では「桔梗」が咲かなくなってしまったのです。
14.禊萩(みそはぎ)

禊萩(みそはぎ)/花言葉:切ないほどの愛・慈悲
お盆に飾られるようになった理由には諸説あります。
お盆に供養する餓鬼の喉の渇きを抑える作用があり、お盆に迎える仏様がミソハギの露を好むと伝えられていて、別名「禊ぎ萩」。旧暦のお盆に開花を迎えるので、水に浸しその花で玄関など周囲に水をまき、清めたうえで祖霊を迎える風習は現在でも日本各地で見られます。水路のわきや溝によく自生することから「溝萩(みぞはぎ)」といわれ、それが転じたことに由来とする説もあります。