○名取市請負工事監督規程
平成20年6月1日
名取市訓令第6号
(趣旨)
第1条 この規程は、名取市建設工事執行規則(平成20年名取市規則第13号)に基づき、請負工事(以下「工事」という。)の適正かつ円滑な実施を図るため、別に定めがあるもののほか、監督職員の設置及び当該監督職員の職務に関し必要な事項を定めるものとする。
(監督職員の設置)
第2条 工事の適正かつ円滑な実施を図るため、監督職員として総括監督員、主任監督員及び監督員を置く。
2 総括監督員は、工事を執行する課等(名取市行政組織規則(平成5年名取市規則第1号)第2条に規定する課等及び名取市教育委員会行政組織規則(平成5年名取市教育委員会規則第1号)第5条に規定する課をいう。)並びに水道事業所(名取市水道事業の設置等に関する条例(昭和41年名取市条例第29号)第4条第2項に規定する水道事業所をいう。)(以下これらを「工事執行課等」という。)の長とする。
3 主任監督員は、工事執行課等の係長とする。
4 監督員は、工事執行課等に所属する職員のうちから、契約ごとに市長が指定する。
(監督職員の職務)
第3条 監督職員は、工事請負契約書及びこの規程に定める工事の監督に関する事務(以下「監督事務」という。)を処理する。
2 総括監督員は、監督事務を掌理し、主任監督員及び監督員を指揮監督する。
3 主任監督員は、総括監督員の命を受け、監督事務に従事し、監督員を指揮監督する。
4 監督員は、総括監督員及び主任監督員の命を受け、監督事務に従事する。
(工事請負者への監督職員の通知)
第4条 市長は、工事を執行する際には、当該工事の請負者(以下「請負者」という。)に対し、当該工事に係る監督職員を通知するものとする。監督職員に変更があった場合も、同様とする。
(監督職員の権限)
第5条 監督職員は、次の各号に掲げる権限を有する。
(1) 請負者又は請負者の現場代理人に対する指示、承諾又は協議
(2) 工事請負契約書、設計書、図面、仕様書その他工事の関係書類(以下「設計図書」という。)に基づく工事の施行のための詳細図等の作成及び交付又は請負者が作成した詳細図等の承諾
(3) 設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施工状況の検査又は工事材料の試験若しくは検査(確認を含む。)
(4) 請負者の施工する工事及び市の発注に係る第三者の施工する他の工事が施工上密接に関連する場合であって、市長が必要と認めた場合における相互調整
(5) 設計変更又は工事の中止若しくは打切り(契約解除)の必要があると認めた場合における市長に対する報告及び請負者に対する指示又は協議
(6) その他監督事務の執行上市長が特に必要と認めたもの
(職務執行の基本原則)
第6条 監督事務を行うに当たっては、厳正かつ公平に監督を行い、請負者と協力して地元関係者との間において紛争が生じないように配慮しなければならない。
(工事着手前の説明)
第7条 監督職員は、請負者に対して、工事の着手前に、必要に応じて工事が所期の目的に従って適切に施行されるように、必要な指示をしなければならない。
(工事の促進)
第8条 監督職員は、常に工事の進行状況に留意し、遅延するおそれがあると認めるときは、請負者と協議するとともに、その旨を市長に報告しなければならない。
2 監督職員は、天災その他やむを得ない理由によって、工事の進捗が妨げられたときは、速やかに、市長に報告しなければならない。
(細部設計図・原寸図等)
第9条 監督職員は、必要があると認めるときは、設計図書に定められた事項の範囲内において細部設計図若しくは原寸図を作成して請負者に交付し、又は請負者が作成した細部設計図若しくは原寸図を検査して承諾を与えなければならない。
(改造請求及び破壊検査)
第10条 監督職員は、工事の施行が設計図書に適合しないと認めるときは、請負者に対し、改造を行うことを求めるとともに、市長に報告しなければならない。
2 監督職員は、必要があると認めるときは、施工部分を破壊して検査することができるものとする。
(施行及び材料調合等の立会い)
第11条 監督職員は、設計図書において立会いを要するものと指定した工事の施行及び工事材料の調合については、立ち会わなければならない。ただし、監督職員の判断により、見本検査、写真撮影その他適宜の方法を指示した場合は、請負者からの成果により確認するものとする。
(材料の検査)
第12条 監督職員は、工事に使用する材料のうち設計図書で指定した材料については、請負者の請求により、使用前にその品質、形状寸法、数量等を実地又は試験資料等によって、検査及び確認をしなければならない。
(設計図書と工事現場の状態との不一致)
第13条 監督職員は、次の各号に掲げる事項を発見したとき、又は請負者から通知を受けたときは、必要に応じて請負者に指示を与えなければならない。
(1) 図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しないとき。
(2) 設計図書に誤り又は脱漏があったとき。
(3) 設計図書の表示が明確でないとき。
(4) 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないとき。
(5) 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたとき。
(工事の変更及び中止)
第14条 監督職員は、工事内容を変更する必要があると認めるときは、速やかに理由を付して市長に報告し、その指示を受けて、工事内容の変更を請負者に指示しなければならない。ただし、軽微な変更にあっては、速やかに工事内容の変更を請負者に指示し、工期の末日又は会計年度の末日のいずれか早い日までに市長に報告することをもって足りる。
2 監督職員は、工事を一時中止する必要があると認めるときは、速やかに理由を付して市長に報告しなければならない。
(緊急措置)
第15条 監督職員は、災害の防止その他工事施工上緊急に請負者に対して臨機の措置をとらせる必要があるときは、応急の措置をさせ、その結果を市長に報告しなければならない。
2 監督職員は、請負者から臨機の措置に関し意見を求められたときは、市長に報告し、その指示を受けて請負者にその指示を与え、又は急迫の事情があるため請負者が独自でとった措置について請負者から通知を受けたときは、意見を付して市長にその結果を報告しなければならない。
(下請負)
第16条 監督職員は、請負者が市長があらかじめ指定した部分を他の者に委任し、若しくは請け負わせたこと又は市長の承認を受けないで下請人に工事を着手させていたことを知ったときは、その旨を市長に報告しなければならない。
2 監督職員は、請負者から一部委任又は一部下請負の承認の申請があったときは、直ちに内容を審査し、意見を付して市長に報告しなければならない。
3 監督職員は、前項の承認に係る下請負人が工事の着手後において当該工事が施行について明らかに施工能力がないと認められるときは、その理由を付して市長に報告しなければならない。
(工事関係者に関する措置請求)
第17条 監督職員は、現場代理人、主任技術者、監理技術者その他工事現場に従事している者が工事の施工又は管理について著しく不適当と認めるときは、市長に報告しなければならない。
2 監督職員は、前項に掲げるもののうち現場代理人を除き、市長の指示を受けて、請負者に対し理由を付してその交代等の必要な措置を求めるものとする。
(工期延長)
第18条 監督職員は、請負者から工期延長願又は工事着手延期願の提出を受けたときは、直ちに内容を調査し、意見を付して市長に提出しなければならない。
(工事の未着手等)
第19条 監督職員は、請負者が正当な理由がなく工事に着手しないときその他契約の履行が確保されないおそれがあると認めるときは、速やかに市長に報告し、その指示を受けなければならない。
(解体材及び発生品)
第20条 監督職員は、工事の施工に伴い解体材又は発生品が生じたときは、請負者から調書とともに引継ぎを受けて、所定の手続に従い措置しなければならない。
(工事目的物の損害等)
第21条 監督職員は、工事目的物の引渡しを受ける前に工事目的物又は工事材料について損害があったときその他工事の施工に関して損害を生じたとき、又は工事の施工について第三者に損害を及ぼしたときは、直ちにその事実を調査し、意見を付して市長に報告し、その指示を受けなければならない。
2 天災その他やむを得ない理由によって工事の既済部分(工事現場に搬入した検査済の工事材料、工事仮設物及び建設機械器具を含む。)に損害を生じたときは実情を詳細に調査し、意見を付して市長に報告し、その指示を受けなければならない。
(既済部分の調査)
第22条 監督職員は、契約解除による既済部分の引取りの必要があるときは、その工事の引取りの対象となるべき部分の出来高を調査のうえ、精算設計書を作成し市長に提出しなければならない。
2 契約に特別の定めがある場合のほか部分払又は引取りの対象となる部分は、当該工事の出来高並びに調査の時期に工事現場にある検査済の材料及び加工材料(変質のおそれがあるものを除く。)とする。
(工事の完成時等の措置)
第23条 監督職員は、請負者から工事の完成届の提出又は部分払いのための出来高等の確認の請求があったときは、設計図書又は出来高調書に基づき現場を確認の上、工事成績調書及び出来高内訳書に必要な事項を記載して市長に提出しなければならない。
2 監督職員は、完成検査、中間検査及び出来高検査に当たり請負者に対し、検査に必要な準備をさせるものとし、検査に立ち会わなければならない。ただし、やむを得ない理由により立会いができないときは、工事内容について承知している者を代理とすることができるものとする。
(書類の取扱い)
第24条 監督職員は、設計図書等を受領したときは、必要に応じて、速やかに市長に報告しなければならない。
2 監督職員は、請負者から提出された書類及び自己が作成した報告書等を整理しておかなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、監督職員は、緊急の場合は、口頭により報告等を行うことができる。この場合において、当該監督職員は、できるだけ速やかに所定の様式により報告等を行うものとする。
(備付けの書類及び帳簿)
第26条 監督職員は、次の各号に掲げる書類及び帳簿を整備しておかなければならない。
(1) 工事設計書、図面、仕様書その他施工条件を明示している書類
(2) 工事の進捗を確認できる書類
(貸与品及び支給材料)
第27条 監督職員は、貸与品又は支給材料がある場合は、請負者の立会いを求め、検査して引き渡し、その都度借用書又は受領書を徴し、常に貸与品又は支給材料の状況を明らかにしておかなければならない。
(保安帽等)
第28条 監督職員は、工事現場での監督の業務に従事するときは、保安帽及び労働安全上支障とならない服装を着用しなければならない。
(委任)
第29条 この規程に定めるもののほか、工事の監督について必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この訓令は、公表の日から施行し、平成20年4月1日以後に発注する工事について適用する。