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(1)人と人、ともに輝きともに創るために~性的少数者への理解を
(1)多様な性のあり方とは(性的少数者、L G B T)
名取市では、令和2年3月に策定した「第三次名取市男女共同参画計画 Hand in Hand21」において、基本理念「人と人、ともに輝きともに創るふるさとなとり」の下に、男女共同参画社会の実現に向けた施策を推進しており、その一環として「性的マイノリティ(LGBT等)への理解促進」を掲げ、多様な性を理解し、認め合うための啓発や情報発信などに取り組んでおります。
性のあり方は、出生時に外見によって決められた『からだの性別』だけではなく、多様です。
心身の性別は、自分で選べるものではありません。周囲の理解不足や偏見により、社会の中で様々な不安や困難、生きづらさを抱えている方々に対し、それぞれの性のあり方を認め合える社会を作ることが必要です。
(2)「性のあり方」の4つの要素
性のあり方について、下表の4つの性の要素の組み合わせから考えることができます。
性の要素 | 説明 | |
---|---|---|
1 |
からだの性 (生物学的性) |
身体的特徴(外性器や染色体等)から、出生時に割り当てられる性。 男性型、女性型だけでなく、身体的特徴の区別がつきにくい場合もある。 |
2 |
こころの性 (性自認) |
自分で認識している性。 男性、女性だけでなく、どちらでもある、どちらでもない、わからないと感じる人や、揺れ動く人もいる。 |
3 |
好きになる性 (性的指向) |
恋愛・性愛の対象とする相手の性。 (自分の性自認に対して、相手の性自認が)異性、同性、両性、どちらでもない、関係ない、などがある。 |
4 |
性のあらわし方 (性表現) |
服装やしぐさ、言葉遣いなどにより、外部に表現したい性。 こころの性とは異なる。 (例:こころの性が男性でも、リボンやピンク色が好きな人もいます。こころが女性でも、スカートをはきたい人ばかりではありません。) |
4つの要素の組み合わせに「こうでなければならない」という決まりはありません。
4つはそれぞれ独立した要素で、これらの性の組み合わせの多様性を指し、「多様な性のあり方」と言います。
「心身の性別が同じで、恋愛対象は異性である」という、いわゆる「多数派」の組み合わせと異なる人たちのことを、性的マイノリティ(性的少数者)と呼ぶことがあります。
「恋愛対象は異性」「心身の性別は必ず一致している」としている人が多いので、そのような人から見て、少数者という意味です。
以下の表の頭文字をとって、「LGBT (LGBTQ+)」とも呼ばれています。
(3)L G B T(L G B T Q エル・ジー・ビー・ティー・キュー)とは
頭文字 | 意味 |
---|---|
L(レズビアン) | 女性の同性愛者 |
G(ゲイ) | 男性の同性愛者 |
B(バイセクシュアル) | 女性・男性ともに好きになる両性愛者 |
T(トランスジェンダー) |
生まれたときの法的・社会的性別とは違う性別で生きる人、生きたいと望む人 |
※ Q(クエスチョニング) ※ Q(クィア) |
性自認や性的指向を決めていない、わからない、模索している人。 心の性と身体の性に違和を感じる人。
性的少数者の総称。 クエスチョニングとともに、LGBTQの「Q」を意味する。 |
【Q】は、「クエスチョニング」「クィア」両方の言葉で使われています。
LGBTの他にも、性的指向や性自認がはっきりしない人、決めたくなかったり、わからなかったり、悩んでいる人や、自分を男・女のいずれとも認識していない人などもいます。
- X(エックスジェンダー)
性自認が男性・女性のどちらでもある、どちらでもない、場合によって変わる人 - A(アセクシュアル)
性的指向が他人に向いていない人 - P(パンセクシュアル)
相手の性のあり方を条件としない - Cisgender(シスジェンダー)※多数派とされている
心身の性別が一致する人 - Heterosexual(ヘテロセクシュアル)※多数派とされている
異性愛者 ……など、さまざまな人がいます。
(4)S O G I(ソジ・ソギ)という考え方
S O G Iとは、性的指向(好きになる相手の性)と性自認(こころの性)の英語表現の頭文字を組み合わせた用語です。
S O G I (性的指向・性自認)は「自分自身をどういう性だと認識しているのか」「どんな性別を好きになるのか」、という状態を指すので、すべての人が含まれる表現で、『すべての人の、多様な性のあり方が保障されるべき』という考えに基づいた言葉です。
世界、そして日本でも、このS O G I に関する差別を撤廃する動きがあります。
どんな性自認・性的指向の方であっても、差別しない、されないという考え方を持つことが大切です。
(5)性的少数者の方が直面する問題 「当たり前」という考え方
「男性は女性を好きになって当たり前」「自分の性は明確で、異性を好きになることが当たり前」という、今まで「当たり前」とされてきた考え方によって、性的マイノリティの方々は社会生活を送ることが困難な場合が多くあります。
周囲の差別や偏見の目から、自分の性自認・性的指向を打ち明けられない方々もいます。
そのため、「自分の周囲には性的少数者はいない」と誤解してしまうことがあるかもしれません。
自分でも気づかないうちに誰かを傷つけないためにも、性的少数者の方への理解を深めましょう。