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市史の先祖(ひとくち市史 第三回)
ひとくち市史 ~みつけよう、なとりの歴史~
第三回 市史の先祖
名取市では昨年度から本格的に市史編さん事業を進めています。
「市史」とは読んで字の如く「市」の歴「史」ですが、実は地域の歴史をまとめる事業は
新しいものではありません。
江戸時代、仙台藩では4代藩主伊達綱村の命によって、儒学者で画家でもあった
佐久間洞巌(洞巌は号で、本名は義和)が仙台領の名所旧蹟や言い伝えなどを
まとめ、享保4年(1719)に『奥羽観蹟聞老志(おううかんせきもんろうし)』という本
を完成させました。
また5代藩主伊達吉村のころ、寛保元年(1741)には、洞巌の弟子であった佐藤信要
が、郡奉行の萱場高寿の指示を受け、『奥羽観蹟聞老志』の間違いを直しつつ、
『封内名蹟志(ほうないめいせきし)』を完成させました。
さらに、安永元年(1773)には、7代藩主伊達重村の命により、儒学者の田辺希文が
『封内風土記(ほうないふどき)』を完成させています。
その後、大正になると名取郡については『名取大鑑(なとりたいかん)』や『名取郡誌
(なとりぐんし)』が刊行されています。
さらに昭和初期になると、郷土教育の高まりに伴い、現在の名取市域内では増田町
や高舘村、下増田村の小学校が、それぞれの地域の郷土誌を発行しています。
現代の自治体史編さんは、こうした流れを汲むものとして理解することもできます。
市史編さん室は、こうした市史の歴史をひもとく企画展を7月から9月にかけて名取市
歴史民俗資料館で開催し、7月23日(日曜日)には増田公民館で講演会も開催します。
詳細は広報なとり令和5年7月号でお伝えします。
市史編さん室では新しい『名取市史』の編さん事業に取り組んでおり、古文書や古い
地図、古写真などの歴史資料を探しています。
心当たりや情報があれば、市史編さん室までご一報下さい。
編さんって? → いろいろな資料を集め、整理して書物をまとめること。
資料を探したりみなさんのお話を伺うため、市史編さんに携わる職員や専門員、
専門部員が随時市内のご家庭を調査に伺い、お声がけを行います。
ご理解とご協力をお願いします。
※広報なとり令和5年6月号掲載のひとくち市史~みつけよう、なとりの歴史~にて
『名取大観』と記載しておりましたが、正しくは『名取大鑑』でした。
お詫びして訂正致します。