「元気なとり」減塩フォーラム Q&A
10月28日(土)名取市文化会館において、国立大学法人千葉大学 客員教授 矢島鉄也先生を講師に迎え「人生100年時代に向けた国の動きと減塩の関係~市民1人1人ができること~」の講演会を開催しました。
その中で、会場よりご質問のありました5項目についてホームページにてお知らせいたします。参加できなかった方もご参考にしていただければと思います。
Q1.血圧が1回目が高く、2回目が低くなるのはどうしてですか?
A.血圧は食事や会話、日常の動作などで変化します。血圧が2回目より1回目が高い傾向にあるのは、「測られる」という緊張もあるかもしれません。
皆さんは、血圧を測る時、1回目と2回目で測った血圧が全く違うという経験はありませんか?
どの値が「本当の血圧」かというと、その時々の血圧が「本当の血圧」であるのは変わりありません。血圧は、その時の状況(緊張とか外気温などの影響)で変化します。1日のうちでも変化します。朝から昼にかけてだんだん高くなっていきます。
測定回数については、高血圧治療ガイドライン2019では「家庭血圧は、原則2回測定し、その平均を血圧値として用いることを推奨する。・・・」となっています。
血圧測定は、1回、1回の測定で、一喜一憂するのではなく、毎日、継続的に測り、その変化を知ることが大事なのです。
(監修:矢島鉄也先生)
Q2.血圧と遺伝について知りたいです。
A.本態性高血圧では、両親とも高血圧の場合、子供は2人に1人の割合で高血圧となり、親の片方が高血圧である場合、子供は3人に1人が高血圧になると研究結果があります。
本態性高血圧では、尿中への食塩排泄や血管の収縮に関与するホルモンの生産に関与する遺伝子の異常があることが既に報告されています。遺伝子の異常が本態性高血圧に関与するとしても、そうした遺伝子異常をもつ人のすべてが高血圧になるわけではありません。「食塩をためやすい遺伝的性質」をもっていても、摂取する塩分を減らせば食塩貯留は防ぐことができます。つまり、実際は生活習慣に左右されるということです。
二次性高血圧の中では、「糖尿病のなりやすさ」の遺伝が糖尿病性腎症などを介し高血圧に関与する場合があります。こちらも糖尿病になりやすい生活習慣が関係しますし、糖尿病になったとして高血圧になるかどうかについても生活習慣が強く関与します。
(出典:伊藤貞嘉東北大学教授「保健指導で高血圧パラドックスの解消へ」抜粋)
※本態性高血圧:高血圧は原因がわかっている『二次性高血圧』と、十分にはわかっていない『本態性高血圧』の2つに分類され、本態性高血圧は高血圧全体の80~85%を占めます。
Q3.「酒を飲むなら、水を飲むように」とのことですが、具体的にどのように飲めばよいでしょうか?
A.お酒を飲むと、アルコールの利尿作用(おしっこが出る作用)で、体は脱水状態になります。脱水にならないように、こまめに水分を補給することが大切です。
厚生労働省は「健康のため水を飲もう」推進運動を実施しています。目覚めの一杯、寝る前の一杯。しっかり水分 元気な毎日!体の中の水分が不足すると、熱中症、脳梗塞、心筋梗塞など、さまざまな健康障害のリスク要因となります。健康のため、こまめに水を飲みましょう。
なお、腎臓、心臓等の疾患の治療中で、医師に水分の摂取について指示されている場合は、この指示に従う必要があります。水を一緒に飲めば、お酒をいくらでも飲めるというわけではありません。厚生労働省は「健康日本21」の中で、アルコールと健康との関係について、正確な知識を普及させることを目標にしています。
「節度ある適度な飲酒」としては、1日平均純アルコールで約20g程度である旨の知識を普及することを目標としています。ビールでは中瓶1本500ml、日本酒1合、ウィスキーダブル60ml、ワイン一杯120mlが目安になります。
(監修:矢島鉄也先生)
Q4. 家族が野菜を食べたがりません。どうしたらよいでしょうか?
A.厚生労働省の健康日本21では1日野菜摂取目標量は350g以上となっています。しかし、令和元年に実施された国の国民健康・栄養調査ではどの年代も低いことがわかっています。
野菜に多く含まれる食物繊維の効用は様々あります。
ぜひ意識して食べていただきたいのですが、家族の方が食べたがらないと食卓に出すのも億劫になるのもわかります。野菜を目標量食べるには「生野菜」よりは電子レンジ等で熱を加え、柔らかくした野菜料理のほうが食べやすくなります。
また、野菜料理は塩分がある程度ないと食べられないという方もいらっしゃいますので、減塩調味料をうまく使って食べていただくと野菜を多く食べながら、減塩もできるのでいかがでしょうか。
(監修:矢島鉄也先生)
Q5. マイナンバーカードは何枚必要でしょうか?
A.市民課に確認しましたところ、マイナンバーカードは1人につき1枚所有となります。
〒981-1224 名取市増田字柳田244
保健センター
電話:022-382-2456