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名取熊野三山牛王神符と版木

更新日:2023年11月12日更新 印刷ページ表示

今後の登録文化財候補

今後の登録文化財候補 名取熊野三山牛王神符と版木 なとりくまのさんざんごほうしんぷとはんぎ

今後の登録文化財候補 名取熊野三山牛王神符と版木 なとりくまのさんざんごほうしんぷとはんぎの画像

 熊野牛王又は宝印神符ともいう。俗に「オカラスさん」ともよばれ、カラス文字でかかれた熊野山独特の御神符である。
 この起源は明らかではないが、熊野の主祭神家美御子神と天照皇大神との高天原における誓約、或は神武天皇東征の際の熊野烏の故事に由縁するともいわれている。
 熊野牛王は、カラス文字を木版に彫り、それを手刷りするもので、紀州熊野本宮大社の場合文字のカラスは八十八羽であるが、各地方の熊野神社の版木文字のカラス数は少なくなっているのが一般的である。
 時代が降るに従い、神符も色々な方面に用いられ、鎌倉時代には「誓約書」、江戸時代には「起誓文」の代わりとして用いられた。
 このように熊野牛王神符は、熊野信仰の人々を災厄から守る御神符で、カマドの上にまつれば火難をまぬがれる。門口にまつれば盗難を防ぐ。病人の床にしけば病気が回復するなど今日も多くの人々の信仰に供している。
 なお、今回紹介する版木刷りの牛王神符は、平成になって新しく作りなおされた版木より以前の古い版木の牛王神符である。