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元中田遺跡

更新日:2023年11月10日更新 印刷ページ表示

今後の登録文化財候補

今後の登録文化財候補 元中田遺跡(中世の居館跡) もとなかだいせき

元中田遺跡(中世の居館跡)の画像

 元中田方形居館(屋敷)跡は、JR名取駅の北西約1.5kmに位置する。
 遺跡の現況は、畑地が主で一部水田となっており、増田川による自然堤防の微高地で標高8.5m~9.5m前後に所在する。遺構は、外堀が一辺150m、幅6~18m、深さは南側で1.5~2mである。内堀は一辺80m、幅13m前後、深さは南側で1.5~2mである。方形居館跡全体が方位に対して東へ約16度ふれる。平面プランで外堀の区画に対して内堀の区画が西によっている。館跡の正面入口通路は、外堀東側中央と内堀東側中央に土橋の検出から東側が正面入口通路である。
 平成9年度の調査は、方形居館跡全体の4分の1弱の東南側区画を中心に発掘した。調査の結果、遺構面の特徴として、外堀東南隅に土橋が検出されたことや内堀は複数の堀が巡らされていることなどが判明した。出土遺物では、大別して鎌倉時代(常滑産の陶器や中国龍泉窯系の青磁など主体)と戦国時代頃(土師質土器、瓦質土器、瀬戸・美濃産の陶器が主体で天目茶碗なども出土)のものとに分けられる。平成9年度で発掘した範囲から居館跡の遺構の年代を決定づける遺物の出方をとらえることはできなかったが、出土遺物より鎌倉時代のものと戦国時代頃のものとに分けられ、居館跡廃絶後も整地して、またこの土地を再利用している。いずれにせよ、方形居館跡の規模や二重堀の形態などから国人領主クラスの居住跡と考えられる。