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《国・県指定》有形文化財 美術工芸品
名取熊野三山の一つである熊野那智神社は、眼下に名取平野・太平洋を一望できる高舘山の山頂部に鎮座しています。明治31年(1899)、那智神社再建の折に社殿の床下から多数の懸仏・銅鏡が見つかりました。懸仏とは、もともと神社に祭られていた鏡に仏を表現して信仰の対象としたもので、柱や軒(のき)などに吊(つ)るし懸けて用いられたため、そのように呼ばれています。鏡面に仏像や仏を表す梵(ぼん)字(じ)を線刻したものや銅の円板に立体的な仏像が付けられたものなどがあり、上部の縁近くに吊るし懸けるための孔(あな)や金具が付けられているものもあります。
那智神社の懸仏・銅鏡の多くは、鎌倉時代以降のものと考えられており、当時の人々が、日々の平穏や極楽往生などを願い、当社へ奉納した姿を伝える貴重な文化財として、その内155点が、国(41点)と県(114点)の重要美術工芸品に指定されています。
※梵字:インドから仏教と一緒に中国や日本に伝えられた文字で、各々の文字が仏様を表します。
名取市高舘吉田字舘山8