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木造狛犬

更新日:2024年1月10日更新 印刷ページ表示

(有形文化財)美術工芸品

木造狛犬の写真

 熊野神社(旧新宮社)には、2体の木製の狛犬が伝わっています。狛犬は平安時代中頃に中国を経て高麗(こうらい)(こま)から日本へと伝わってきたもので、神仏の魔よけと聖域守護の役目を担うものとして一般に親しまれてきました。本来は寺院の本尊を守るものとして本堂内に置かれるものでしたが、後に神社の拝殿前や境内参道入り口に置かれるようになって行きました。

 熊野神社に伝わる狛犬は阿(あ)形と吽(ん)形が対になり、どちらも漆塗りの痕跡がのこる木造りのもので、用材は桂(かつら)材であると思われます。阿形は雄(高さ約72cm)で、大きく見開らいた目と両耳を正面に向け、やや渦を巻くたてがみは3段に垂れて両肩から背中にかかり、前足を真下へ伸ばして後足を屈して座っています。また、頭上にあった角や両足の下部、尻尾部分は欠損しています。

 吽形は雌(高さ約60cm)で、阿形と同じく頭部を正面に向け、目を大きく見開いて座しています。吽形像には初めから角がなく,たてがみは垂れて両肩・背中にかかり、両足下部と尻尾は阿形像同様に欠損しています。
狛犬像の制作方法は、江戸時代以降に大部分が木製から石製へ変化したとされており、当社の狛犬は、江戸時代より前に製作されたと推定される数少ない狛犬像の一つです。