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(有形文化財)美術工芸品
経筥は、経櫃と同じく新宮寺文殊堂に伝わった、一切経を収納するための筥(はこ)で、全部で67筥が現存しています。1つの経筥には、10巻ずつ経巻が入れられて、経筥ごと経櫃へ収納されたものと思われます。経筥はいずれも横幅44cm、奥行30.8cm、深さ4.6cmの長方形の筥で、外面のみ赤漆を塗って仕上げられています。長方形に組んだ木枠の底部分の両端と中央に幅4.6cmの細長い板を貼ったもので、板と板の間には隙間が見られます。年号などの墨書銘は確認されていませんが、仕上げの方法が経櫃と共通することなどから、経筥は経櫃と一緒に製作されたものと考えられます。