ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

更新日:2024年1月10日更新 印刷ページ表示

(民俗文化財)有形民俗文化財

錨 写真

 宮城県図書館所蔵の領内祭集(りょうないさいしゅう)の一つに閖上浜錨祭絵図(ゆりあげはまいかりまつりえず)があります。絵図内の解説によると、安政年間(1854~1859)以前から閖上浜では大漁を祈願し錨を供養する行事があり、後に閖上浜の大祭としたとされています。錨祭については、いつ頃から始まり、いつ頃まで行われていたかなど詳細な記録や文献が確認されず正確にわかりませんが、現存する絵図からある程度当事の祭の様子を知ることができます。
 錨は明治以降になって、1つは熊野堂の熊野神社へ、もう1つは愛島小豆島の清水峰神社へ奉納されており、熊野神社の錨は現存しますが、清水峰神社の錨は太平洋戦争に供出されて無くなってしまいました。
 このように熊野神社にある錨は、錨祭りの主役的な役割を担った道具であり、現在は廃れてしまった伝統行事に関連する貴重な民俗資料となっています。