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(民俗文化財)有形民俗文化財
江戸時代の火事の際は、類焼をくい止めるための打ち壊し道具が主であり、消火のための道具開発はあまり進みませんでした。当時は、火消し人を守るために使用した「龍吐水(りゅうどすい)」などが知られているだけで、本格的に動力の道具で消火するようになったのは、明治時代の始めイギリスから輸入された「腕用ポンプ」が一般化してからです。
洞口家所蔵の消火ホンプは、明治時代のものでは現存する市内唯一のもので、消火ポンプ本体と台車(運搬移動用)は固定されてなく、消火ポンプ本体は木製が主で水管のみ真鋳で作られおり、その他、運搬用台車、消火用放水銃、トビなどが付属しています。
ポンプ本体の大きさは、長さ72cm、幅56cm、高さ44cm、形状は逆台形で、ポンプ本体の正面には洞口又兵衛(当事の洞口家当主)の墨書と製造所の焼印があり、両側面には「名取郡大曲村 洞」と書かれ、洞口氏個人が所有または購入した消火ポンプであったことがわかります。